「不安をなくしたい」「心の症状をなんとかしたい」と願うあまり、かえって不安や焦りが強まってしまうことはありませんか?
森田療法は、そんな“治そうとする努力が症状を悪化させる”という悪循環に注目した、日本生まれの心理療法です。不安や不快な感情を否定せず、「あるがまま」に受け入れつつ、今できる行動を積み重ねていく

―その独自のアプローチは、神経症や強迫性障害などに悩む多くの方に希望を与えています。

この記事では、森田療法の基本理論と特徴、他の心理療法との違いについて、やさしく丁寧に解説していきます。

第1章:森田療法とは? ― 不安を否定しない、日本発の心理療法

「不安を消したい」と思う気持ちが、不安を強めてしまう

―そんな“とらわれ”の心理に気づき、感情を否定せずに受け入れること。それが森田療法の根本にある考え方です

この章では、森田療法がどのように誕生し、どんな人のどんな症状に向き合ってきたのかを解説しながら、その哲学的背景や他の療法との違いも見ていきます。

🌱森田療法の起源と創始者・森田正馬について

森田療法は、日本の精神科医・森田正馬(もりた・まさたけ)によって大正時代に生み出されました。
彼自身、学生時代に極度の対人不安に悩んでいた経験があり、当時の治療法では対応できない神経症(現在で言う不安障害や強迫性障害)への独自のアプローチを模索する中で、現在の森田療法の基礎が築かれました。

森田は「不安や症状を消そうとすること」が、かえって苦しみを強める原因になると考えました。そして、感情は自然なものであり、無理にコントロールするのではなく、“あるがまま”に受け止めながら、目の前の行動を積み重ねていくことが大切だと説きました。


🌊神経症(不安障害・強迫性障害など)へのアプローチ

森田療法は特に、次のような症状に有効とされています。

  • 強い不安感や心配
  • 動悸や息苦しさなどの身体症状(パニック障害)
  • 手洗いや確認行為がやめられない(強迫性障害)
  • 自分の健康に過剰な不安を抱える(心気症)

これらは、「症状があること」そのものよりも、「症状を消したい」と強く思いすぎてしまうことによって悪化する場合が多く見られます。森田療法は、その“症状にとらわれる構造”に焦点を当て、「感情を排除するのでなく、観察して通り過ぎるまで待つ」という態度を育てます。


🧘‍♀️「あるがまま」「感情を目的にしない」という哲学的原則

森田療法の中核概念のひとつが「あるがまま(自然服従)」です。
これは、不安や不快な気分があっても、それに対抗せず、評価せず、自然な流れとして受け入れるという態度を意味します。

また、森田療法では「感情をコントロールすること」を目的とせず、「行動によって心が変わる」という考え方が貫かれています。
たとえば、「不安を感じるから行動できない」ではなく、「不安があっても、行動してみる」というスタンスです。


🧠CBT(認知行動療法)や精神分析との違い

認知行動療法(CBT)は、思考の歪みを修正し、適応的な行動をとることに重点を置いています。
一方で、森田療法では「思考や感情に介入せず、むしろ放っておく」ことに重きを置きます。

また、精神分析が幼少期の無意識や親子関係などを掘り下げるのに対し、森田療法は過去ではなく「現在ここでの生き方」に意識を向け、行動を積み重ねていく実践的な心理療法です。

まとめ
  • 森田療法は日本発の心理療法で、森田正馬によって創始された
  • 「不安を消したい」と思う気持ちが症状の悪化につながると捉える
  • 不安や感情は“あるがまま”に受け入れ、行動を継続する姿勢が重要
  • CBTや精神分析とは異なるアプローチで、“とらわれ”からの回復を目指す

では、森田療法はどのような症状や心理状態に効果があるのでしょうか?

第2章では、実際に森田療法が適用される主な疾患やケース、症状がどのように現れるのかについて、実例を交えながら詳しくご紹介していきます。

第2章:森田療法で対象とされる主な症状とは?

森田療法は「不安をなくす」ことを目的にせず、「不安があっても行動できる力」を育てる心理療法です。
では実際に、どのような疾患や悩みに対して効果があるのでしょうか?

この章では、森田療法が対象とする主な精神症状や思考・感情のパターンを解説し、「とらわれの悪循環」がどのように形成されるかを見ていきます。あわせて、実際のケースに基づく回復のプロセスにも触れていきましょう。

🧠対象となる疾患と主な症状

森田療法は、特に以下のような「神経症(不安障害)」に対して効果があるとされています。

診断名主な症状
不安神経症(全般性不安障害)常に何かに対して過剰な不安や心配があり、落ち着かない状態が続く
パニック障害突然の強い動悸や息苦しさ、めまいなどの「パニック発作」が繰り返し起こる
強迫性障害(OCD)頭の中で止まらない考え(強迫観念)や、繰り返しの行為(確認・手洗いなど)
身体表現性障害(心身症)明確な身体的異常がないのに、頭痛や吐き気、疲労感などが続く
心気症(健康不安)病気ではないかと過剰に心配し、医療機関を何度も受診してしまう

これらは一見、まったく異なる疾患に見えますが、背景にある心理的特徴には共通点があります。


🔄“とらわれ”の構造と悪循環

森田療法では、これらの症状の背景に「とらわれ(症状への過度な注目)」があると考えます。

🔁 とらわれの悪循環の例:

  1. 不安や違和感が生まれる
  2. 「このままではいけない」と不安を“排除しよう”とする
  3. かえって意識が集中して、症状が強まる
  4. 「やっぱりおかしい」とますます不安になり…

このように、「症状→対処しようとする→悪化→不安強化」というループが起きてしまいます。
森田療法ではこの悪循環に対し、「症状を気にしながらも行動を継続する」ことを提案します。


🌱どんな思考・感情パターンに効果があるか

森田療法が有効とされるのは、次のような思考パターンを持つ方です:

  • 完璧主義で、失敗を極度に恐れる
  • 「〜でなければならない」という思い込みが強い
  • 不安や緊張を「感じてはいけない」と思いがち
  • 人からどう見られているか過剰に気になる
  • 身体感覚に過敏で、「普通と違うこと」に過度に反応してしまう

これらのパターンは、性格の一部として根深く残っていることも多く、「治そう」とするほど不安が強化されるリスクがあります。


👥森田療法が効果を発揮した実例紹介

📌事例1:20代女性/強迫性障害

手洗いが止まらず、1日中水場から離れられなくなった女性。
「汚れてはいけない」「家族に病気をうつしてはいけない」という強迫観念から行動がエスカレートし、自宅での生活が困難に。
森田療法では、手洗いへの“評価”や“対処”を止め、感情をそのままにして生活行動を継続することを指導。
徐々に「気になっても、手を洗わずにいられる」時間が増えていきました。

📌事例2:30代男性/心気症(健康不安)

微熱や動悸を感じるたびに「重大な病気では?」と不安になり、複数の病院を転々としていた男性。
森田療法では「体の不調に意味づけをせず、あるがままに受け止める」練習を継続。
結果として、症状への“とらわれ”が弱まり、徐々に通常の生活に戻ることができました。

まとめ
  • 森田療法は、神経症・強迫性障害・パニック障害・心気症などに効果がある
  • 症状そのものよりも「とらわれる心」に焦点を当てる
  • 不安をなくすのではなく、受け入れて“行動を続ける”ことで回復を目指す
  • 完璧主義や不安過敏な傾向のある人に適したアプローチ

不安や症状に「とらわれすぎてしまう構造」を理解したうえで、次に気になるのは「実際にどう実践するのか?」という点です。

第3章では、森田療法を実生活の中でどう活かすか、セルフケアとして取り入れる方法や、専門家の支援の受け方などを詳しくご紹介します。

第3章:森田療法の進め方と治療プロセス

森田療法は、「不安や症状をなくすこと」を目的とせず、「症状を持ったままでも人生を送れる力」を育む心理療法です。
では、実際にどのように進めていくのでしょうか?

本章では、入院・外来・セルフ実践といった療法のスタイルの違い、森田療法の特徴的な4つの段階的プロセス(絶対臥褥期〜社会復帰期)、そして日常生活の中で「治そうとしない」姿勢がなぜ大切なのかをわかりやすく解説していきます。

🏥治療スタイルの違い:入院・外来・セルフ実践

森田療法には、大きく3つのアプローチ方法があります。

タイプ内容特徴
入院療法森田療法を専門に行う医療機関で数週間〜数か月にわたり段階的に進行昔ながらの本格的実践スタイル。環境を整え、生活そのものを治療にする
外来療法医師やカウンセラーの指導を受けながら、自宅や職場で生活を続けつつ行う日常生活との両立が可能。定期的な面談や日記指導が中心
セルフ実践書籍やオンライン講座などを通じ、自分で原則を学びながら実践継続の難しさはあるが、気軽に取り組める。セルフケアや予防に向いている

現在では外来やセルフ実践が一般的になりつつありますが、重症例では入院治療が必要となることもあります。


🔄森田療法の4段階プロセス

入院療法では、以下のような段階を踏んで進行していきます。

① 絶対臥褥期(ぜったいがじょくき)

  • 2〜7日ほど、部屋で一切の作業をせず静かに横たわる
  • 本を読んだり話したりすることも制限
  • 不安や症状が強まることもあるが、それに「介入しない」ことで回復の基礎をつくる

② 軽作業期

  • 庭掃除や雑巾がけなどの軽い作業を始める
  • 不安や違和感を持ちながらも行動を起こす
  • 「気になっても、できる」を体感する期間

③ 作業期

  • 広い範囲での作業や創造的活動へ
  • 集中力や持続力の回復を図る
  • 他者との交流も少しずつ増やしていく

④ 社会復帰期

  • 仕事・学校などへの復帰を模索
  • 日常生活を送りながらも、症状を受け入れたまま前に進む練習
  • 「不安と共に生きる」姿勢が定着していく

🌱日常生活の中で「治そうとしない」ことの意味

森田療法において最も特徴的なのが、「治そうとしないことが、結果的に治療になる」という考え方です。

  • 「不安だから休む」ではなく、「不安があってもやる」
  • 「症状があるから行動できない」ではなく、「症状を感じながらも行動する」

これにより、「不安=悪」「症状=排除すべき」という思い込みが徐々に弱まり、「あるがまま」の自分と付き合う力が育っていきます。

🧭ポイント:

  • 症状が消えたかどうかではなく、「生活が送れているか」が回復の尺度
  • 目的を“感情の変化”にせず、“行動”に置くことが鍵

🧑‍⚕️指導者の役割と継続のためのヒント

森田療法では、治療者が「教える人」ではなく「見守る人」として関わります。

  • 患者が自ら気づくプロセスを尊重し、過干渉はしない
  • 「アドバイス」よりも「共に生活を眺める」スタンス
  • 日記や対話を通じて「自分の感情に気づく」支援をする

🌼継続のコツ:

  • 日記や記録をつける(感情よりも行動にフォーカス)
  • 「すぐ良くならなくてもいい」と許可すること
  • 一緒に頑張れる仲間や場を持つ(森田療法の勉強会なども有効)

🌿森田療法セルフ実践用テンプレート(毎日/1週間ごとに記録)

🗓️ 日付:______(例:2025年4月11日)

1. 【今日の行動記録】

「症状があってもできたこと」を中心に、実際の行動を記録します。

例:
・午前:不安があったが出社できた/スーパーに行った
・午後:メール対応/不安で集中できなかったが座っていた
・夜:気分は重かったが入浴できた/スマホを見て気をまぎらわせた

✍️ 記入欄:
_________________________________________
_________________________________________


2. 【不安・症状の内容】

「不安や症状があったとき、どんな場面で、どのように感じたか」をありのまま記録します。評価や分析は不要です。

例:
・会議前に動悸がした
・「何もしていない自分はダメだ」という思考が出た

✍️ 記入欄:
_________________________________________
_________________________________________


3. 【“とらわれ”が起きた瞬間】

不安に「巻き込まれた」自分に気づけた場面を書きます。

例:
・「この不安をなくさなきゃ」と焦った
・「何もできていない」と責め続けていた
・検索で不安を抑えようとしていた

✍️ 記入欄:
_________________________________________
_________________________________________


4. 【あるがままに行動できたこと】

「不安があっても、やってみた」ことがあれば記録します(できた/できなかったで評価しない)。

例:
・外出中ずっと不安だったけど予定どおり行動できた
・掃除中に焦燥感があったけどやりきった

✍️ 記入欄:
_________________________________________
_________________________________________


5. 【気づいたこと・今の自分への一言】

・森田療法における“気づき”は、「不安があっても人は動ける」こと。
・評価や反省ではなく、今日を受け止めて「次の一歩」を記す欄です。

✍️ 記入欄:
_________________________________________
_________________________________________


💬テンプレートの活用アドバイス

  • ✅ 書くタイミングは夜の就寝前 or 翌朝など、自分に合った時間でOK
  • ✅ 毎日でなくても、「週に2〜3回」でも十分です
  • ✅ 頭で分析せず、素直な言葉で「ただ書く」ことがポイント
  • ✅ 継続することで「症状よりも行動に意識を向ける習慣」が育ちます
まとめ
  • 森田療法には入院・外来・セルフの3つの実践スタイルがある
  • 4段階(絶対臥褥期 → 社会復帰期)を通じて自然な回復を目指す
  • 「治そうとせず、あるがままを生きる」ことが回復の鍵
  • 指導者はアドバイスよりも“見守り”の姿勢を重視する

森田療法は、不安や症状を“なくす”のではなく、“持ったまま生きる力”を育てる独自の心理療法です。

症状をコントロールしようとせず、あるがままを受け入れる姿勢が、結果的に心の安定へとつながります。その過程は決して一足飛びではなく、生活と向き合いながらじっくり進めていくもの。

もし今、症状にとらわれ苦しんでいるなら、「そのままで前に進む」という選択肢があることを、森田療法は教えてくれます。

第4章:自宅でできる森田療法的アプローチ

森田療法は、病院や専門機関で受ける心理療法でありながら、日々の暮らしの中でも実践できる「生き方の哲学」としての側面を持っています。不安や緊張を無理に消そうとせず、そのまま抱えながら目の前の行動に集中する

—この姿勢は、誰にでも自宅で取り入れられるものです。

この章では、セルフケアとしての森田療法的アプローチを日常生活に取り入れる方法について、わかりやすく解説します。

🌿 1. 日記療法:行動記録と気づきの積み重ね

森田療法において非常に重要なのが「行動と感情を切り分けて観察する」習慣です。そこで役立つのが「日記療法」です。

🖊️ 書くべきポイント:

  • 今日やったこと(症状があってもできたこと)
  • 不安やとらわれを感じた瞬間
  • 行動を続けられた小さな成果
  • 「治そう」とせずに過ごせた気づき

🔎 例: 「朝は不安で布団から出たくなかったが、10分後に起きて朝食の準備ができた」
「外出中に動悸があったが、約束どおり友人に会った」

こうした記録が「行動重視」の感覚を育て、感情に巻き込まれない視点を養ってくれます。


🌬️ 2. 感情は変えなくていい ― コントロールを手放す

私たちは「不安になってはいけない」「焦りはダメ」と感じがちです。しかし森田療法では、**感情のコントロールではなく、“受け容れる”**姿勢を重視します。

大切なことは:

  • 不安や緊張は「正常な感情反応」である
  • 感情を「なくす」のではなく「あるがままにしておく」
  • 感情を抑え込むことが症状を長引かせる

「怖いまま」「落ち着かないまま」でいい、と心に許可を出してあげましょう。それだけで、苦しさが和らぐことがあります。


🚶 3. 不安なまま動く:行動の中で変化が起きる

森田療法の真髄ともいえるのが、「不安や症状があっても、目的のために動く」ことです。

具体的には:

  • 不安を抱えながら外出してみる
  • 緊張しながら会話や電話にトライしてみる
  • 「やってみたけど不安だった」を肯定的にとらえる

これは「不安があったのに○○できた」という成功体験になります。森田療法では「完璧な行動」よりも、「不完全でもやった」ことが大事なのです。


🧘‍♀️ 4. 今ここに集中するための生活習慣

森田療法は、派手なワークではなく質素で規則的な生活を大切にします。これは思考にとらわれすぎないよう、「体を使って生活を整える」意味があります。

🌱 日常に取り入れたい習慣:

  • 起床・食事・入浴・就寝のリズムをつくる
  • 軽い散歩や掃除など「身体性」を伴う活動を増やす
  • 「ながらスマホ」「考えごと」を減らす習慣を意識

例えば、庭の草取りや洗濯物をたたむことも立派な「森田療法的行動」です。思考ではなく、行動に意識を向けることで「今ここ」を感じる力が育ちます。

まとめ
  • 森田療法は、専門家のもとだけでなく自宅でも実践できる心理療法です。
  • ポイントは、「感情に抗わず、行動に集中する」こと。
  • 日記療法や生活のリズムづくりなど、地味ながら確かな実践が回復を支えます。
  • 不安を抱えたまま行動した経験こそが、自己信頼につながっていきます。

自宅での実践を通じて、森田療法の考え方を少しずつ体に染み込ませていくことができます。しかし、症状が重く日常生活に支障がある場合や、ひとりでの取り組みに限界を感じるときには、やはり専門家の力を借りることが大切です。

次章では、森田療法を実際に受けられる医療機関やカウンセリング、学びの場について詳しく解説していきます。

第5章:どこで受けられる?森田療法の相談窓口と実践機関

森田療法に共感し、自宅での実践を始めた方の中には、「もっと深く学びたい」「専門家のサポートを受けながら進めたい」と感じる方もいるかもしれません。実際、森田療法は医療機関やカウンセラーを通じて本格的に取り組むことも可能です。

この章では、森田療法を専門的に提供している団体・医療機関・相談窓口などをご紹介します。不安をひとりで抱え込まず、信頼できる手を借りることも大切な「あるがまま」の実践です。

🏢 1. 日本森田療法学会について

森田療法に関心のある方がまず知っておきたいのが、日本森田療法学会の存在です。

  • 1983年設立。森田療法の研究・教育・臨床活動を推進する学術団体
  • 医師・心理士・看護師・教育関係者など、幅広い専門職が所属
  • 森田療法を提供する機関の情報や、研修会・講演会の開催も

公式サイトでは、学会員が所属する医療機関の一覧や、森田療法に関する出版物なども紹介されています。

🔗 日本森田療法学会公式サイト


🏥 2. 森田療法を受けられる主な医療機関

日本国内で森田療法を継続的に実施している医療機関は限られていますが、以下は代表的な例です。

▶️ 東京慈恵会医科大学附属病院 森田療法センター

  • 森田療法の本家ともいえる歴史的施設
  • 入院・外来の両方で森田療法を実践
  • 特に「不安障害」や「強迫性障害」に対する専門的支援に強み

🔗 森田療法センター

▶️ 森田療法研究所

  • 森田療法学会前理事長の北西医師が北西クリニックにて外来の方を対象に実施
  • ネオ森田療法と名付け、入院という伝統的な治療システムによらないこと、個人精神療法(個人カウンセリング)を主として、家族療法、夫婦療法、親子療法などを適宜組み合わせること、精神分析的精神療法、認知療法、行動療法などの技法を必要に応じて取り入れていることなどが特徴

🔗 森田療法研究所

上記のほかにも、NPO法人生活の発見会が森田療法を行なっているクリニック、病院の情報をまとめています。


🧑‍⚕️ 3. 専門家にかかるタイミングと選び方

森田療法に限らず、**「相談すべきかどうか」**の迷いは誰にでもあるものです。

🔍 専門家への相談をおすすめするサイン:

  • 不安や緊張が日常生活に大きな支障を与えている
  • 自分で実践しても症状が悪化していく
  • 感情の波が激しく、他者との関係がつらい
  • 「死にたい」と思う頻度が増えてきた

森田療法を提供している医師や心理士は限られるため、日本森田療法学会所属の専門家や、精神科・心療内科に「神経症」「不安障害」の治療経験があるかを確認すると安心です。

まとめ
  • 森田療法は全国的にはまだ限られた施設で提供されていますが、信頼できる専門家による支援は各地に存在します。
  • 日本森田療法学会の情報を活用することで、適切な医療機関・カウンセラーを見つけやすくなります。
  • 症状が強い場合には無理をせず、早めに相談することが回復の近道です。

森田療法は、不安や悩みを無理に排除せず、あるがままに受け止めながら、自分の「生きる力」を育てていく心理療法です。

感情に振り回されるのではなく、それらを抱えたまま「今できること」に集中する姿勢は、日常の中でこそ力を発揮します。

症状がつらいときには専門家の力を借りながら、無理なく、自分のペースで取り組んでいきましょう。