メンタルヘルスの不調で休職したあと、「そろそろ復職を考えたいけれど、本当に以前と同じように働けるのだろうか」と不安を感じる方は少なくありません。

体調が改善してきたとしても、朝決まった時間に起きること、通勤すること、長時間集中すること、職場の人とコミュニケーションを取ることは、休職中の生活とは大きく異なります。

こうした「療養生活から仕事へ戻るまでの橋渡し」をするのが、リワークと呼ばれる職場復帰支援です。

ただし、リワークには医療機関が行うもの、地域障害者職業センターが行うもの、企業が行うもの、障害福祉サービスや民間事業者が行うものなどがあり、対象者、目的、費用、利用期間はそれぞれ異なります。

この記事では、2026年時点の制度を踏まえ、リワークの種類や費用、利用期間、申し込み方法、施設選びのポイントをわかりやすく解説します。

※制度や料金、利用条件は地域・医療機関・事業所によって異なります。実際に利用する際は、主治医、勤務先、自治体、各施設へ最新情報をご確認ください。

リワークとは?

リワークとは、一般に「Return to Work」を略した呼び方で、うつ病、適応障害、双極症、不安症などのメンタルヘルス不調によって休職している人が、職場復帰と復職後の安定就労を目指すための支援を指します。

単に「仕事の練習をする場所」ではありません。

生活リズムを整え、一定時間活動する力を回復させるとともに、休職に至った経緯や自分のストレス反応を振り返り、再発を防ぐ方法を身につけていきます。

リワークで行われる代表的なプログラムには、次のようなものがあります。

  • 生活リズムの記録と改善
  • オフィスワークや軽作業
  • 認知行動療法に基づくプログラム
  • 心理教育、疾病理解
  • ストレスマネジメント
  • コミュニケーション訓練
  • グループワーク
  • 休職に至った経緯の振り返り
  • 復職後の再発予防計画の作成
  • 通勤訓練や模擬勤務
  • 職場との復職条件の調整

医療リワークでは、精神科デイケア、ショートケア、作業療法などの診療報酬上の枠組みを利用し、医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理職などの多職種が関わります。

リワークに参加する5つのメリット

メリット1.生活リズムを整えられる

休職中は、起床時間や就寝時間が遅くなったり、日によって活動量が大きく変わったりしやすくなります。

リワークでは、決まった曜日・時間に施設へ通い、一定時間プログラムに参加します。

これは、復職後の勤務時間を想定した練習になります。

単に早起きができるだけでなく、通所後も活動を続けられるか、疲労が翌日まで残らないかといった点を確認できることが重要です。

厚生労働省の職場復帰支援の手引きでも、復職判断に際して、睡眠覚醒リズム、昼間の眠気、注意力・集中力、安全に通勤できるか、活動後の疲労から回復できるかといった点を確認することが示されています。

メリット2.仕事に必要な集中力や持続力を確認できる

自宅で日常生活を送れることと、職場で継続的に働けることは同じではありません。

リワークでは、文章作成、数値チェック、資料整理、PC作業、軽作業などに取り組みながら、次のような力を確認します。

  • 一定時間集中できるか
  • ミスが増えたときに休憩を取れるか
  • 複数の指示を整理できるか
  • 午前だけでなく午後まで活動できるか
  • 疲労を翌日に持ち越さないか

復職を急ぐのではなく、「現時点でどの程度の負荷に耐えられるか」を客観的に把握できることがメリットです。

メリット3.休職に至った背景を振り返れる

リワークでは、病気の症状だけでなく、休職に至った経緯を整理することがあります。

例えば、次のような要因を振り返ります。

  • 業務量が増えたときに抱え込みやすかった
  • 周囲に相談するタイミングが遅かった
  • 完璧にこなそうとして休憩を取れなかった
  • 人間関係のストレスを一人で処理していた
  • 不調のサインに気づいても無理を続けた

大切なのは、自分や誰かを責めることではありません。

再び同じ状況になったときに、どのようなサインに気づき、誰に相談し、どのように負荷を調整するかを考えることです。

メリット4.再発予防のスキルを身につけられる

リワークでは、認知行動療法、ストレスコーピング、アサーショントレーニング、SST、リラクゼーションなどが取り入れられることがあります。

例えば、

  • ストレスを感じやすい状況を把握する
  • 自分の考え方の傾向に気づく
  • 不調の初期サインを言語化する
  • 上司や同僚に相談する練習をする
  • 疲労が強まる前に休む方法を決める

といった取り組みです。

特定の技法がすべての人に合うわけではありませんが、自分に合った対処法を複数持っておくことが、復職後の安定につながります。

メリット5.職場と復職条件を調整しやすくなる

復職は、本人の体調だけで決まるものではありません。

復帰後の勤務時間、業務内容、残業や出張の制限、配置、上司によるフォローなど、職場側の受け入れ体制も重要です。

地域障害者職業センターのリワークでは、本人へのプログラムだけでなく、事業主に対して、復帰時の仕事内容、労働条件、職場環境、必要な配慮などについて助言を行っています。

施設が職場との連携に対応している場合、本人だけで復職条件を説明する負担を減らせる可能性があります。

リワークの種類は大きく4つ

リワークは、実施主体によって大きく次の4つに分けて考えられます。

種類主な目的主な対象費用の考え方
医療リワーク治療、病状の安定、再休職予防精神疾患で休職中の人健康保険、自立支援医療等
職リハリワーク元の職場への復帰に向けた本人・企業支援雇用保険適用事業所等に在職し休職中の人原則無料
職場リワーク復職可否の判断、段階的な職場復帰企業に在籍する休職者原則企業負担
福祉・民間型支援復職、就職、転職、生活・就労訓練サービスごとに異なる障害福祉制度または自費等

なお、日本うつ病リワーク協会では、主なリワークとして「医療リワーク」「職リハリワーク」「職場リワーク」の3類型を示しています。一般に「民間リワーク」と呼ばれる施設には、就労移行支援事業所、自費制プログラム、企業向けEAPなど、制度上異なるサービスが含まれるため、契約形態や費用を個別に確認する必要があります。

1.医療機関で行う「医療リワーク」

医療リワークとは

精神科・心療内科の病院やクリニックが、治療の一環として行うリワークです。

精神科デイケア、精神科ショートケア、精神科作業療法、通院集団精神療法などとして実施され、医師を含む医療専門職が関わります。

主な目的は、病状を安定させ、復職後の再休職を予防することです。

主な対象者

  • うつ病、適応障害、双極症などで休職している
  • 主治医がリワーク参加可能と判断している
  • 定期的な通院や服薬調整を続けながら復職準備をしたい
  • 医療的な評価を受けながら進めたい

施設によっては、他院に通院したまま参加できない場合があります。

利用先の医療機関への転院や、診療情報提供書の提出が必要かどうかを、事前に確認しましょう。

主なプログラム

  • 疾病理解、心理教育
  • 認知行動療法
  • 作業療法
  • グループワーク
  • オフィスワーク
  • ストレスマネジメント
  • 運動、リラクゼーション
  • 個別面談
  • 再発予防計画の作成

費用

医療リワークは、一般に健康保険の対象となる診療として実施されます。

自己負担割合が3割の人は、通所日数や診療内容に応じて自己負担が発生します。医療機関によっては、診察料、薬代、文書料、昼食代などが別に必要です。

自立支援医療(精神通院医療)が認められた場合、指定医療機関・指定薬局等における対象医療の自己負担は原則1割となり、所得や治療状況に応じて月額上限が設定されます。自立支援医療は、誰でも一律に月額1万円になる制度ではありません。

メリット

  • 医師を含む多職種の支援を受けられる
  • 治療と復職訓練を連続的に進められる
  • 症状や服薬の影響を踏まえて負荷を調整しやすい
  • 再発予防を重視したプログラムが多い

注意点

  • 実施している医療機関が限られる
  • 定員や開始時期の都合で待機が発生することがある
  • 利用先への転院が必要な場合がある
  • 職場との連携範囲は医療機関によって異なる
  • 転職支援や求人紹介は通常の医療サービスとは別である

2.地域障害者職業センターの「職リハリワーク」

職リハリワークとは

各都道府県に設置されている地域障害者職業センターが、休職者、勤務先、主治医の三者と連携して行う職場復帰支援です。

治療そのものではなく、元の職場への適応に向けた職業リハビリテーションである点が、医療リワークとの大きな違いです。

主な対象者

  • うつ病などの精神疾患によって休職している
  • 元の勤務先への復職を目指している
  • 本人、勤務先、主治医が支援利用に合意している
  • 原則として対象となる事業所に雇用されている

地域障害者職業センターのリワークは、離職者の一般的な転職支援ではありません。

原則として、現在の勤務先への復帰を目指す休職者と事業主を対象とした支援です。

また、JEEDの案内では、国、地方公共団体、特定独立行政法人などに勤務する人は対象外とされています。一般に「公務員は利用できない」と説明されるのは、このためです。

主なプログラム

  • 生活リズムの安定
  • 体調、疲労の自己管理
  • 作業課題
  • 集中力、持続力の確認
  • 認知行動療法に基づく講座
  • ストレスコーピング
  • コミュニケーション訓練
  • キャリアの振り返り
  • 再発防止策の検討
  • 勤務先への助言
  • 復職条件や配慮事項の整理

費用

支援の利用料は原則無料です。

ただし、交通費、昼食代などの実費は本人負担となる場合があります。

利用期間

期間はセンターや個別の支援計画によって異なります。

例えば、千葉障害者職業センターでは標準期間を12週間とし、対象者の状況によって個別設定も可能と案内しています。全国一律に必ず12週間というわけではないため、管轄センターへの確認が必要です。

メリット

  • 原則無料で利用できる
  • 本人だけでなく勤務先への支援がある
  • 主治医、本人、勤務先の連携を進めやすい
  • 復職時の業務内容や配慮事項を具体化しやすい
  • 職業評価や職場適応に関する専門性がある

注意点

  • 治療を行う機関ではない
  • 本人だけの希望では利用できず、勤務先や主治医との調整が必要
  • 元の職場への復帰を前提としている
  • 公務部門など対象外となる勤務先がある
  • 説明会、相談、評価、調整を経て開始するため、すぐに利用開始できるとは限らない

3.企業が行う「職場リワーク」

職場リワークとは

企業が、自社の休職者を復職させるために実施する社内制度や復職支援の総称です。

企業によって内容は異なり、社内の研修施設へ通う形式、EAPなどの外部機関へ委託する形式、試し出勤や通勤訓練を行う形式などがあります。

主な内容

  • 人事、上司、産業医との面談
  • 復職可否の評価
  • 職場復帰支援プランの作成
  • 通勤訓練
  • 模擬出勤
  • 試し出勤
  • 短時間勤務
  • 業務量、職務内容の調整
  • 残業、出張、交代勤務等の制限
  • 復職後の定期面談

厚生労働省の手引きでは、休業開始から復職後のフォローアップまでを5段階に分け、復職可否の判断だけでなく、個別の職場復帰支援プランを作成することが示されています。

試し出勤と正式な復職は同じではない

試し出勤制度は、正式な職場復帰の前に、職場や勤務時間に身体を慣らすための制度です。

制度上の扱い、賃金、労災、交通費、事故発生時の対応などは企業ごとに異なります。

「会社へ通い始めたから正式復職した」と自己判断せず、人事や産業医に制度上の位置づけを確認することが重要です。

費用

社内制度として実施される場合、通常は企業が費用を負担します。

ただし、外部医療機関の診察費や、本人が任意で選んだサービスの費用などは自己負担となる可能性があります。

メリット

  • 実際の職場に合わせた調整ができる
  • 上司、人事、産業医と連携しやすい
  • 復帰後の業務量や勤務時間を具体的に決められる
  • 復職後も継続的にフォローを受けられる可能性がある

注意点

  • 制度の有無や内容は企業によって大きく異なる
  • 小規模事業者では産業医や専門部署がない場合がある
  • 社内制度だけでは心理療法や医療的ケアが不足する場合がある
  • 会社が最終的な復職可否を判断するため、主治医の「復職可能」という診断だけで必ず復職できるとは限らない

4.就労移行支援などの「福祉・民間型リワーク」

「民間リワーク」は制度上の名称ではない

一般に民間リワークと呼ばれるサービスには、複数の形態があります。

代表的なのは次のようなものです。

  1. 障害福祉サービスである就労移行支援事業所
  2. 企業から委託を受けるEAP・復職支援サービス
  3. カウンセリング会社などが提供する自費制プログラム
  4. 医療法人等が保険外で提供する復職支援
  5. オンライン型の復職支援プログラム

これらは、対象者も費用も異なります。

「民間施設だから健康保険が使える」「診断書があれば必ず1割負担になる」というわけではありません。

就労移行支援とは

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスです。

一般企業等への就労を希望する人に対し、一定期間、就労に必要な知識や能力を高めるための訓練、職場実習、求職活動支援などを行います。

事業所によっては、休職者の復職支援に力を入れ、「リワーク」としてサービスを提供していることがあります。

一方で、就労移行支援は本来、就職や転職を目指す離職者も対象に含むサービスです。元の職場への復帰に対応しているか、勤務先との調整が可能かは、事業所ごとに確認しましょう。

主な対象者

  • 自治体から障害福祉サービスの支給決定を受けた人
  • 一般企業への就労や復職を希望している人
  • 医師の診断書や意見書等により支援の必要性が確認できる人
  • 事業所の支援対象に合っている人

障害者手帳がなくても利用できる場合がありますが、自治体の判断や必要書類は地域によって異なります。

費用

障害福祉サービスの利用者負担は、原則としてサービス費用の1割です。

ただし、所得区分に応じて月額上限が設定されています。

2026年時点で厚生労働省が示している上限は、次のとおりです。

所得区分月額負担上限
生活保護世帯0円
市町村民税非課税世帯0円
一般19,300円
一般237,200円

18歳以上の障害者の場合、原則として本人と配偶者が所得判定上の世帯範囲になります。

別途、交通費、昼食代、教材費などがかかる場合があります。

自費制サービスの費用

自費制のリワークやカウンセリングサービスには、公的な統一料金はありません。

月額制、回数制、個別面談ごとの料金など、事業者によって異なります。

契約前に、次の費用を確認しましょう。

  • 入会金
  • 月額利用料
  • 個別面談料
  • 医師の診察料
  • 診断書、意見書等の文書料
  • キャンセル料
  • 復職後フォローの料金
  • 企業との面談や報告書作成の料金

メリット

  • 事業所によっては個別支援が充実している
  • 復職だけでなく、転職やキャリア変更も相談できる
  • PCスキルや業務訓練に力を入れている場合がある
  • 土曜日、オンライン、短時間利用など柔軟な施設もある
  • 医療リワークとは異なる実践的なプログラムを選べる

注意点

  • 同じ「リワーク」という名称でも制度や内容が異なる
  • 就労移行支援、自費サービス、医療サービスを混同しない
  • 職員の資格や医療連携体制に差がある
  • 復職者支援の実績が少ない事業所もある
  • 自治体の受給者証発行まで時間がかかることがある
  • 休職中に就労移行支援を利用できるかは個別判断となるため、自治体、勤務先、主治医への確認が必要

リワークの費用を比較

種類主な自己負担
医療リワーク健康保険の自己負担。自立支援医療が認められれば原則1割かつ所得等に応じた上限あり
地域障害者職業センター原則無料。交通費、昼食代等は自己負担の場合あり
企業内・職場リワーク原則企業負担。外部受診費や任意サービスは自己負担の場合あり
就労移行支援原則1割負担。ただし月額上限0円、9,300円、37,200円
完全自費型施設が独自に設定。入会金、月額料金、面談料等を要確認

費用だけで選ぶのではなく、医療的支援が必要なのか、元の職場との調整が必要なのか、転職も視野に入れるのかを整理して選びましょう。


リワークの利用期間はどれくらい?

リワークの利用期間は、種類や本人の回復状況によって異なります。

医療リワークについて、日本うつ病リワーク協会は、短いものでは数週間、長いものでは年単位で、平均的には3~7か月程度と説明しています。

地域障害者職業センターでは、標準12週間程度としているセンターがありますが、個別の状況に応じて期間が設定されます。

したがって、「リワークは必ず3~6か月」と一律に考えるのではなく、次の要素を踏まえて判断する必要があります。

  • 症状が安定しているか
  • 睡眠、食事、活動時間が安定しているか
  • 週に何日通えるか
  • 一定時間集中できるか
  • 通所後の疲れが翌日まで残らないか
  • 再発予防策を説明できるか
  • 職場の受け入れ準備が整っているか
  • 短時間勤務や業務調整が可能か
  • 主治医、産業医、会社の判断が一致しているか

利用初期

週2~3日、午前のみなど、比較的軽い負荷から始めることがあります。

まずは、決まった時間に起きて通所することや、集団環境に慣れることを目指します。

利用中期

通所日数や滞在時間を増やし、個人作業、グループワーク、認知行動療法、ストレスマネジメントなどに取り組みます。

休職に至った経緯や再発のサインについても整理します。

利用後期

復職後の勤務を想定し、週5日、勤務時間に近い時間帯で活動することを目指します。

通勤訓練や模擬勤務、復職面談の準備、職場への提出資料の作成などを行う場合もあります。

利用期間を短くすること自体が目標ではありません。

復職後に安定して働き続けられる状態をつくることが、より重要です。


リワークの1日のスケジュール例

施設によって内容は異なりますが、一般的には次のような流れで進みます。

時間内容
9:00~9:30到着、体調確認、朝のミーティング
9:30~10:30個人作業、PC作業、読書、数値課題
10:30~12:00認知行動療法、心理教育、再発予防講座
12:00~13:00昼休み
13:00~14:30グループワーク、コミュニケーション訓練
14:30~15:30軽運動、作業課題、ストレス対処法の実践
15:30~16:00振り返り、活動記録、翌日の目標設定

毎日すべてのプログラムを行うわけではありません。

また、初期から終日参加するのではなく、午前のみ、週数日から段階的に増やす場合があります。


リワークを利用するまでの流れ

ステップ1.主治医に相談する

まずは、現在の主治医に「リワークを検討している」と相談しましょう。

リワークは、急性期の症状が強い時期に無理をして参加するものではありません。

一定時間外出し、集団プログラムに参加できる状態かどうか、治療との両立が可能かを確認します。

ステップ2.勤務先の制度を確認する

在職中の場合は、人事、上司、産業医、保健師などに、次の点を確認します。

  • リワーク利用が復職条件になっているか
  • 会社指定の施設があるか
  • 外部リワークの利用が認められるか
  • 復職判定に必要な書類は何か
  • 休職期間の満了日はいつか
  • 試し出勤制度があるか
  • 短時間勤務が可能か
  • 利用費用の補助があるか
  • 施設と会社の情報共有に同意が必要か

会社によっては、指定医療機関や指定プログラムの利用が必要な場合があります。

ステップ3.候補施設へ問い合わせる

候補となる施設に、電話やWebフォームで問い合わせます。

見学会、説明会、個別相談、体験利用が用意されている場合は、実際に参加することをおすすめします。

ステップ4.必要書類を準備する

必要書類は施設ごとに異なりますが、例として次のものがあります。

  • 健康保険証またはマイナ保険証
  • 診療情報提供書
  • 主治医の診断書、意見書
  • 服薬情報
  • 会社の休職・復職制度に関する書類
  • 自立支援医療受給者証
  • 障害福祉サービス受給者証
  • 本人、勤務先、主治医間の情報共有同意書

自立支援医療受給者証や障害福祉サービス受給者証は、利用する制度によって必要性が異なります。

すべてのリワーク利用者に一律で必要なわけではありません。

ステップ5.面談・評価を受ける

初回面談では、次のような内容を確認します。

  • 診断名と治療経過
  • 休職に至った経緯
  • 現在の生活リズム
  • 通院、服薬状況
  • 復職希望時期
  • 勤務先の復職条件
  • 現在できる活動
  • 苦手な状況
  • 施設に期待する支援

施設側が、現時点での利用が適切かを判断する場合もあります。

ステップ6.個別支援計画を作成して利用開始

利用開始後は、体調や目標に合わせて通所頻度とプログラムを調整します。

最初から復職日を固定するのではなく、通所状況や職場との調整を踏まえて計画を更新することが大切です。


リワーク施設の選び方|確認したい8つのポイント

1.自分の目的と施設の役割が合っているか

まず明確にしたいのは、リワークを利用する目的です。

  • 治療と再発予防を重視したい
  • 元の職場との調整を進めたい
  • 仕事に近い訓練をしたい
  • 転職も含めてキャリアを見直したい
  • オンラインや短時間で利用したい

目的によって適した施設は異なります。

2.医療との連携体制があるか

民間事業所や就労移行支援を利用する場合は、次の点を確認しましょう。

  • 主治医と情報共有できるか
  • 医療機関との連携実績があるか
  • 症状が悪化したときの対応方法が決まっているか
  • 服薬変更時にプログラム負荷を調整できるか
  • 医療行為と非医療サービスの範囲が明確か

カウンセラーが在籍していても、医師の診断や治療の代わりになるわけではありません。

3.職場との連携に対応しているか

元の職場への復帰を目指す場合は、本人へのプログラムだけでは不十分なことがあります。

  • 会社との面談に参加できるか
  • 支援経過の報告書を作成できるか
  • 職場復帰支援プランの作成を手伝ってくれるか
  • 必要な配慮事項を整理してくれるか
  • 産業医や人事との情報共有ができるか

を確認しましょう。

なお、施設が勤務先へ情報を提供する場合には、本人の同意や共有範囲の確認が重要です。

4.復職者向けプログラムが十分にあるか

「就労支援を行っている」というだけで、休職者の復職支援に詳しいとは限りません。

次のようなプログラムがあるか確認しましょう。

  • 生活リズムの改善
  • 休職原因の振り返り
  • 認知行動療法
  • 再発予防
  • ストレスマネジメント
  • 業務シミュレーション
  • 通勤訓練
  • コミュニケーション訓練
  • 復職面談の準備
  • 復職後のフォロー

5.個別面談と個別調整があるか

グループプログラムが中心でも、体調や職種、休職理由は一人ひとり異なります。

  • 定期的な個別面談があるか
  • 担当者が決まっているか
  • 通所日数を段階的に増やせるか
  • 合わないプログラムを調整できるか
  • 不調時に休みやすいか
  • 個別の復職目標を設定できるか

を確認しましょう。

6.スタッフの専門性と配置を確認する

施設のWebサイトで、資格名だけを見るのではなく、実際にどの職種が、どの頻度で関わるかを確認することが重要です。

例えば、

  • 医師
  • 看護師
  • 精神保健福祉士
  • 作業療法士
  • 公認心理師
  • 臨床心理士
  • 社会福祉士
  • キャリアコンサルタント
  • 職業カウンセラー

などです。

非常勤の専門職が名簿に掲載されているだけなのか、日常的に面談やプログラムを担当しているのかも確認しましょう。

7.復職実績の示し方が適切か

「復職率○%」という数字だけで施設を選ぶのは注意が必要です。

次の点が明示されているか確認しましょう。

  • 復職率の分母
  • 集計期間
  • 途中退所者の扱い
  • 元の職場への復帰か、転職を含むのか
  • 復職後何か月時点の就労を指すのか
  • 再休職率
  • 利用者の疾患や年齢層

数字の定義が示されていない場合、他施設との単純比較はできません。

8.見学・体験時の雰囲気が合うか

プログラム内容が良くても、施設の雰囲気が合わなければ通所が負担になることがあります。

見学時には、

  • 利用者同士の距離感
  • スタッフの話し方
  • 静かさや明るさ
  • 休憩スペース
  • 欠席時の対応
  • 利用者の年齢層
  • PC作業の環境
  • 通所時間
  • 昼食の取り方

などを確認しましょう。


リワーク利用時の注意点

注意点1.リワークに通えば必ず復職できるわけではない

リワークへの参加は、復職可否を決める材料の一つです。

最終的な復職判断は、主治医の意見、産業医等の評価、本人の状態、職場の受け入れ体制、会社の規程などを踏まえて、勤務先が行います。

プログラムを修了しただけで、自動的に復職が決まるわけではありません。

注意点2.無理に通所すると症状が悪化する場合がある

リワークは一定の負荷がかかるプログラムです。

通所後に強い疲労が続く、睡眠が悪化する、不安や抑うつが強まるといった場合は、通所日数や滞在時間が合っていない可能性があります。

主治医や施設担当者に相談し、負荷を調整しましょう。

注意点3.他の利用者と比べない

同じ施設に通っていても、診断、症状、休職期間、職種、職場環境は異なります。

他の人が先に復職したからといって、自分の回復が遅れているとは限りません。

自分の体調と目標を基準に進めることが大切です。

注意点4.施設任せにせず、職場側の調整も進める

本人の状態が整っても、復職後の業務量や勤務時間が休職前と同じでは、再び負担が集中する可能性があります。

リワーク中から、

  • 復帰部署
  • 担当業務
  • 勤務時間
  • 残業や出張の制限
  • テレワークの可否
  • 定期面談
  • 不調時の相談先
  • 配慮を見直す時期

などを勤務先と整理しましょう。

注意点5.個人情報の共有範囲を確認する

施設、主治医、産業医、人事、上司が連携する際には、健康情報やプログラム参加状況が共有されることがあります。

誰に、どの情報を、何の目的で共有するのかを確認し、同意書の内容を理解してから署名しましょう。


復職準備が整ってきたかを確認するチェック項目

復職の可否は自己判断だけで決められませんが、準備状況を振り返る目安として、次の項目があります。

  • 平日、勤務日に近い時間に起床できる
  • 夜間の睡眠がある程度安定している
  • 通勤時間帯に安全に移動できる
  • 週5日に近い活動ができる
  • 午前から午後まで一定時間活動できる
  • PC作業や読書に集中できる
  • 活動後の疲れが翌日までに回復する
  • 自分の不調のサインを説明できる
  • 不調時の対処方法を複数持っている
  • 上司や周囲へ相談する方法を決めている
  • 復職後に必要な配慮を説明できる
  • 通院や服薬を継続できる
  • 主治医、会社、本人の認識がおおむね一致している

厚生労働省の手引きでも、適切な睡眠覚醒リズム、注意力・集中力、安全な通勤、勤務日の継続、作業後の疲労回復などが、復職時の確認事項として示されています。

すべてが完璧である必要はありません。

一方で、「体調が良い日が何日かあった」というだけで復職を急がず、一定期間安定して続けられているかを確認することが重要です。


よくある質問

Q1.リワークには必ず参加しなければなりませんか?

法律上、すべての休職者にリワーク参加が義務づけられているわけではありません。

ただし、会社の休職・復職規程や個別の復職条件として、リワーク参加、試し出勤、産業医面談などを求められる場合があります。

まずは勤務先の規程を確認しましょう。

Q2.主治医から復職可能と言われれば復職できますか?

主治医の診断書は重要ですが、会社が最終的な復職可否を判断します。

主治医は日常生活や症状の回復を中心に判断する一方、会社は実際の業務遂行能力、安全性、職場の受け入れ体制なども考慮します。

そのため、主治医の復職可能判断と、会社の復職判断が一致しない場合があります。

Q3.障害者手帳がなくても利用できますか?

医療リワークや地域障害者職業センターのリワークでは、障害者手帳を必須としない場合があります。

就労移行支援についても、手帳がなくても医師の診断書や意見書等により利用できる場合がありますが、最終的には自治体の支給決定が必要です。

Q4.リワークを利用しながら傷病手当金を受給できますか?

リワークへの通所自体は、一般に直ちに就労したことを意味するわけではありません。

ただし、傷病手当金の支給は、療養のため労務不能であることなどの要件に基づき、健康保険者が個別に判断します。

試し出勤、賃金の発生、出勤扱いの有無などによって取り扱いが変わる可能性があるため、加入する健康保険へ確認してください。

Q5.復職ではなく転職を考えていても利用できますか?

医療リワークでは、休職中の人の復職と再発予防を主な目的とする施設が多くあります。

地域障害者職業センターのリワークは、原則として元の職場への復帰を目指す支援です。

転職を主な目的とする場合は、転職支援に対応した就労移行支援事業所、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、民間のキャリア支援なども検討しましょう。


まとめ

リワークは、メンタルヘルス不調による休職から、無理なく職場へ戻り、その後も安定して働き続けるための復職支援です。

主な種類には、

  • 医療機関が治療として行う医療リワーク
  • 地域障害者職業センターが行う職リハリワーク
  • 企業が行う職場リワーク
  • 就労移行支援や自費サービスなどの福祉・民間型支援

があります。

それぞれ、目的、対象者、費用、利用期間、職場との連携範囲が異なります。

医療リワークでは健康保険や自立支援医療を利用できる場合があり、地域障害者職業センターの支援は原則無料です。

就労移行支援の自己負担には、所得に応じて月額0円、9,300円、37,200円の上限が設けられています。

リワークを選ぶ際は、料金の安さや通いやすさだけでなく、

  • 医療的な支援が必要か
  • 元の職場との連携が必要か
  • 転職も視野に入れているか
  • 個別面談や復職後のフォローがあるか
  • 自分の体調や雰囲気に合うか

を確認することが大切です。

復職は、休職前とまったく同じ状態に戻ることではありません。

自分の不調のサインを理解し、必要なときに相談し、負荷を調整しながら働ける状態をつくることが、安定した職場復帰につながります。

焦って復職日だけを目指すのではなく、主治医、勤務先、リワーク施設と相談しながら、自分に合った準備を一つずつ進めていきましょう。